2005年4月

 沖縄の季節をあらわす「若夏」という言葉があります。文字通りの若い夏。盛夏の前。今がちょうど、その季節です。 原色の花々が、蝶を招き寄せます。子ども達は、待ちきれずに海に入っていきます。春先に種をまいた野菜が、日ごとに伸びていきます。そして、畑の糸芭蕉も、この時季に大きく成長していきます。

  工房のある大宜味村白浜は、人口16人の、村でも一番小さな集落です。子どもや若い人は、一人もいません。ここでは、なんとまあ、工房主が一番若い女性なのです。暗くなれば、物音一つ聞こえてこないような場所です。
  海までは、工房から50メートル足らず。塩屋湾から東シナ海へと、西に大きく広がっています。休日にはカヌーなども浮かびますが、普段は、お隣のおじさんとおばさんが、仲良く釣り竿を並べているくらいです。
  湾内なので、波もありません。夜になると対岸の灯が海面に映え、「湖畔の宿」気分になれます。塩屋大橋や宮城橋のオレンジの灯りも、水面に長いラインを描きます。これからの季節、夜景を肴に気分も晴れ晴れ、ビールやら島酒やら、目一杯楽しめるわい―と、浮ついている御仁もおります。

  5月中旬には、東京のデパートで催される沖縄物産展に参加します。今は、その準備に追われています。ウー畑(糸芭蕉の畑)の雑草も気になっていますが、ゆっくり手入れをする余裕がありません。のんびり屋の「こもれび工房」にとって、「忙しい」という言葉は、辞書になかったはずなんですが。

  立ち止まって一呼吸できる木洩れ日の小さな光のように、やんばるの「水」「風」「土」「人」といった「こもれび風景」をお伝えしていきたいと思っています。

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